口の中に血豆がある?原因や治し方、受診の目安をわかりやすく解説

違和感があり鏡で確認したら口の中に血豆があった、そんなケースは決して珍しくありません。初めて血豆を見た人は驚くかもしれませんが、多くの場合は1週間ほど様子を見ているうちに自然と治っていきます。

口の中の血豆は、悪性黒色腫というがんなどの深刻な病気の兆候として現れることもあり、安易に大丈夫と決めつけるのは危険です。この記事では、口の中に血豆ができる原因や対処法を解説したうえで、一般的な血豆とがんの見分け方、さらに受診を検討すべきケースについて詳しく紹介します。

口の中に血豆?まず確認したいこと

口の中に血豆があると、見た目が赤黒くてドキッとします。多くの場合は、口の中の血がたまったふくらみが、粘膜の下の小さな血管が傷ついて出血し、ぷくっと膨らんで見える状態です。口の中は回復力が高く、原因がはっきりしたよくある血豆なら、基本的に短期間で自然に落ち着くことが多いとされますが、口の中のトラブルは似た見た目でも原因が違うことがあるのが厄介なところです。

症状について押さえるべきポイント

まずは次のポイントを軽くチェックしておきましょう。

いつからある?
食事中に噛んだ直後か、朝起きたら突然か

どこにある?
頬の内側か、唇の内側か、舌か、上あごか

痛みは?
噛むと痛いか、しみるか、ほぼ痛くないか

大きさは?
米粒くらいか、1cm以上か

数が増えていない?
1つだけか、複数箇所あるか

口の中に血豆ができる主な原因

口の中に血豆ができる原因は、粘膜が傷つく、こすれる、反応が起きることで出血がたまりやすくなることです。その要因として、外傷、ストレス、アレルギーが挙げられます。

外傷

一番多い要因であるのが外傷です。

  • 食事中に頬の内側や舌を噛んだ
  • 硬い食べ物で粘膜がこすれ、傷ついた
  • 転倒や衝突で口の中がうっ血した
  • 欠けて尖った歯が当たっている
  • 矯正装置が当たって擦れる
  • 歯ぎしりや食いしばりで粘膜に負担がかかる

ストレス

間接的な要因として、ストレスも関係します。人はストレスが強い環境下では就寝中の歯ぎしりや、無意識に歯を食いしばりやすく、その拍子に頬の内側を誤って噛んでしまうことがあります。さらにストレスが蓄積すると、就寝中の歯ぎしりや食いしばりが増えやすくなり、口の中に傷ができる原因にもなります。

アレルギー

特定の食材を食べた後に毎回同じようにできる、あるいは特定の物質に触れたタイミングで出やすい場合、アレルギー反応が関係している可能性も考えられます。レモンなど酸味の強い食柑橘類などは口腔粘膜を刺激し、症状のきっかけになることがあります。さらに、食物アレルギー以外にはラテックスアレルギーもあり、粘膜に反応が起こり、血豆が生じるケースもあります。

アレルギーならば検査で原因を確認

アレルギーの関与が疑われるときは、医療機関で検査を受けて原因を確認することが大切です。ラテックスアレルギーがある人は、治療時にゴム手袋が口の中に触れたことが誘因になっている可能性も考えられます。その場合は、歯科医院でラテックス不使用の手袋を使用してもらえるか相談してみましょう。

突然できる血の水ぶくれ

噛んだ覚えがないのに、口の中に血豆が突然できた場合、ABH(Angina bullosa hemorrhagica)が関係している場合があります。ABHは、口の中に突然できる血液で満たされた水疱のことです。多くは食事中~食後に起こり、熱い飲食物や硬い食べ物などの軽い刺激で粘膜が傷つくのがきっかけになり、上顎の奥の軟口蓋にできやすいです。全身の病気や止血異常とは関係しないことが多く、数日~1週間ほどで自然に治るケースが一般的です。

基本的に治療不要ですが、頻繁に繰り返したり、大きかったり、治りが遅かったり、痛みが強い場合は受診を検討してください。まれに大きな水疱がのど側にできて息苦しさが出ることがあるため、その場合は早めの受診が必要です。

似た見た目で違う疾患の可能性もあり

一方で、似た見た目でも、自己免疫疾患の水疱症という可能性もあります。頻繁に繰り返す場合や様子がいつもと違う場合は、ご自身で判断せず医療機関を受診すれば安心です。

自宅でできる対処法

口の中に血豆ができたとき、まず大事なのは無理に触らないことです。基本的には血豆を破ると悪化や感染のリスクがあるとされることから、自然治癒を待ち、舌や指で触れないよう注意します。

1. つぶさない・いじらない

早く治したいからと潰すと逆効果になりがちです。破れて粘膜に傷ができると、しみたり、炎症が長引いたり、二次感染のリスクが上がります。

2. 口の中を清潔にする

歯ブラシは柔らかめで患部に当てないようにしましょう。また、うがいは強くガラガラせず、やさしくすすいでください。アルコール強めのマウスウォッシュでしみる場合は、使用を中止しましょう。

3. 刺激物や硬いものを控える

治るまでの数日は、刺激物などを避けてください。

  • 辛いものや酸っぱいもの、熱すぎる飲食物
  • 硬いせんべい、チップスなど刺さりやすい食べ物
  • 喫煙や飲酒

4. 痛みがつらいときは無理しない

市販薬の口内炎薬を検討したり、歯科で薬を処方してもらえないかという相談する方法もあります。痛みが強かったり、食事がしんどくなったり、眠れないようなレベルならば無理せず医療機関に行ってください。

受診の目安

口の中の血豆は、およそ1週間程度で自然に治ることが多いとされます。噛んだ心当たりがあったり、だんだん小さくなるなら、まずは刺激を避けて様子見でもよいケースが多いです。一方で、次のような自覚症状があれば歯科か口腔外科への相談をおすすめします。

早めの受診をするケース

  • 1ヶ月以上たっても治る気配がない
  • 同じ場所で発生と回復を繰り返す
  • 出血がなかなか止まらない
  • 口の中の複数箇所に同時にできる
  • 噛んだ、装置が当たる等の原因が浮かばずわからない

飲み込みにくさや息がしづらいほど大きかったり、食事や会話に強く支障が出て、強い腫れや膿っぽさがある場合も同様です。

医療機関での検査?処置?薬?

受診の際に、いつからどこに何個あるのか、痛みやきっかけは何かを確認しつつ口腔内を観察します。そのうえで、必要に応じて次のような対応が検討されます。

原因になっている刺激の除去

  • とがった歯の調整
  • 矯正装置の調整
  • 噛み合わせや歯ぎしり対策のマウスピース作製
  • 症状を和らげる痛み止め、炎症を抑える口内用の薬などの処方

頻発や多発する場合は検査も検討
ABHは基本的に予後良好で治療不要なことが多い一方、血液の病気などを除外するために血算や凝固系の検査をすることがあります。

血豆は必ず大きな病気という意味ではありません。ただ、治らず繰り返し多発する場合は、診断を受け、場合によっては処置や薬を処方してもらいましょう。

再発予防のために何すればよい?

口の中に血豆を繰り返す人は、口の中に原因が残っていることが少なくありません。再発予防は、原因別に潰していくのが近道です。

外傷を減らす
早食いをやめてよく噛み頬や舌を噛みにくくなる
硬いものや尖った食べ物はゆっくり噛む
歯の欠けや尖りを放置しない
噛み合わせの見直し
矯正装置が当たるならば調整を相談する
就寝中の歯ぎしりや食いしばりが疑わしいならマウスピース相談

ストレスや体調管理

ストレスが強い時期は、食いしばりや睡眠中の歯ぎしりが増えやすいとされます。睡眠や休息を確保し、負担が続く場合は対策をしましょう。

よくある質問

血豆に関する質問についてまとめてみました。

質問 回答
Q1. 口の中に血豆があるけど、放置していい? 多くは自然に小さくなり、目安として1週間程度で落ち着く。ただし、長引く・繰り返す・多発・原因不明の場合は受診。
Q2. つぶした方が早く治る? 破ると感染や炎症で治りが遅くなる可能性があるため、触らずに保護するのが基本。
Q3. 痛くない血豆は危険? 痛みの有無だけでは判断できない。ABHのように痛みが乏しく自然に治るものもあります。一方で、治りが悪いできものは歯科口腔外科を受診。
Q4. 同じ場所に何度もできるのはなぜ? 尖った歯、噛み癖、矯正装置の接触など同じ刺激が続いている可能性などあり。繰り返す場合は受診を。

まとめ

口の中に血豆ができると不安になりますが、多くは適切なケアと予防で対処できます。違和感に気づいたら早めに口腔内を確認し、症状が長引いたり、不安がある場合は歯科医院へ相談しましょう。日頃から口腔衛生を整え、食生活に気を配り、ストレスを溜めすぎないことが再発予防につながります。口内環境を良好に保つことは全身の健康にも役立つため、毎日のケアを大切にしましょう。