矯正歯科

マウスピース矯正に向いている人とは?

マウスピース矯正に向いている人とは?

マウスピース矯正は透明なマウスピースを付け替えていくことで歯並びを整えていく人気の矯正方法ですが、向いている人と向いていない人がいます。当院で使用しているインビザラインという名前のマウスピースの例でご説明します。

マウスピース矯正が向いている人とは?

インビザライン

マウスピース矯正が向いているのは主に以下のような方です。

1. 見た目にこだわる人

マウスピース矯正は透明なマウスピースを使用するため、装置が目立ちにくいという特徴があります。そのため社会人や大人の矯正患者さんの中でも、特に矯正器具が目立つことを気にされる方には、マウスピース矯正が向いています。

2. 軽度の不正咬合の人

マウスピース矯正での治療は、歯並びが軽いガタガタや出っ歯や受け口の人に向いています。

重度の不正咬合の方は抜歯矯正が必要になりますので、マウスピース矯正での治療では治療期間が長くなるため、ワイヤー矯正や裏側矯正をおすすめします。

ご自身が軽度の不正咬合に該当するかどうかは、歯科医院の診断が必要ですので、矯正歯科でご相談ください。

3. 治療中の自己管理が出来る人

 

マウスピースの洗浄インビザラインでの矯正治療は、食事前に取り外して普段通りに食事が出来ること、そして歯磨きが普段通り行えることが最大のメリットともいえます。

しかし逆に考えると、取り外せるということで様々な問題が起こることにもなり得ます。

インビザラインのアライナーは食事前に取り外した後、食後にはマウスピースは洗ってから再装着しなければなりません。その際には出来れば歯磨きもした方が虫歯予防のためには良いです。

更に、インビザラインは1日22時間以上の装着が推奨されます。つまり、食事後はアライナーを早く付けなおさなければなりません。

間食の時も、アライナーは取り外さなければなりません。色のついた飲み物や糖分を含んだ飲み物を飲む時も外す必要があります。

それが面倒だと思う方もおられます。自己管理が苦手な方は、インビザラインでの治療を続けていけるだけのモチベーションを保つ方法を見つけましょう。

4. 外食や飲み会、旅行が少ない人

 

サンドイッチインビザラインのアライナーは飲食する度に外して洗わねばなりません。一人で食事をする場合はまだ良いのですが、数人で食事や飲み会をするときにも、インビザラインを外し、食べ終わった後は早めに付けなおさなければなりません。

アライナーを外している時間が長くなると、せっかく動いた歯が少し後戻りを起こしてしまいますし、治療計画通りに歯が動かずに治療が長引く可能性もあります。

そのため、外食や飲み会、旅行に良く行く方にはインビザラインは向いていないということになります。

5.もともと間食が少ない人

間食の習慣がある人は、その度にアライナーを外して洗うのが面倒と感じ、ストレスになるケースがあります。もともと間食の習慣がなく、甘い飲み物を飲む頻度も少なければ、食事以外の時間はずっとアライナーを付けたままに出来ますので、必要な装着時間を満たすことが出来、インビザラインでの治療に向いているといえます。

6. 金属アレルギーのある人

マウスピース矯正は透明な樹脂で出来ており、歯に付けるアタッチメントもレジンと呼ばれる歯科用プラスチックですので、金属アレルギーのある人でも安心して矯正治療が受けられます。但し念のため、治療前に必ず担当医に、金属アレルギーがあることをお伝えください。

7. 引っ越しの可能性がある人

引っ越し

インビザラインだけでなく、矯正の治療期間中は、同じ歯科医院に通い続けることが好ましいのですが、インビザラインの場合はiTeroで取った歯のデータで治療の状態が管理されますので、転院先の医院にデータを受け継ぐことが可能です。

但し、転院時の費用に関しては、元々かかっていた医院と転院先の医院で、それぞれに決まりがありますので、それに従う必要があります。

8. 痛みに極端に弱い人

矯正治療では歯を動かしますので、どうしても痛みがつきものです。しかしワイヤー矯正と比べてマウスピース矯正は歯を動かすスピードがゆっくりなので、痛みが少ないのが特徴です。痛みに弱くて出来るだけ痛くない矯正治療を希望される場合は、マウスピース矯正が向いています。

▼マウスピース矯正についてはこちらで詳しく解説しています。

マウスピース矯正に向いている人に関するQ&A

マウスピース矯正が向いている人の特徴は何ですか?

マウスピース矯正は、目立たない透明な装置を使うため、見た目を気にする人に適しています。軽度の不正咬合の人、自己管理が得意な人、外食や間食が少ない人、金属アレルギーのある人、そして痛みに弱い人にも適しています。

マウスピース矯正の最大のメリットは何ですか?

マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が透明で目立ちにくいことと、食事前や歯磨き時に簡単に取り外せることです。これにより、食事や歯の清掃が通常通り行え、日常生活への影響が少ないです。

マウスピース矯正における自己管理の重要性は何ですか?

マウスピース矯正では、アライナーを1日22時間以上装着する必要があり、食事前後に取り外して洗浄する必要があります。管理が不十分だと治療効果が減少し、治療期間が延長する可能性があります。

まとめ

歯のキャラクター

マウスピース矯正の中でもインビザラインは近年人気の矯正方法となっていますが、個人のライフスタイルや状態によってマウスピース矯正に向く人と向かない人がいます。

インビザラインは軽度の不正咬合を持つ人、自己管理がしっかりとできる人、外食や飲み会が少ない人、間食の習慣が少ない人、また将来的に引っ越す可能性がある人には特に向いているといえるでしょう。

一方で、それぞれの条件に当てはまらない方は、インビザラインを選択する際には十分な情報収集や歯科医院での相談が必要です。矯正方法は一人ひとりのライフスタイルや要望や性格に応じて選ぶことが重要となります。

マウスピース矯正(クリアアライナー矯正)に向いている人に関する研究を以下に示します。

1. 3Dプリントによるクリアオルソドンティックアライナーの現状と将来性
この研究では、3Dプリント技術を用いたクリアオルソドンティックアライナーの製造について議論されています。クリアアライナーは従来の矯正装置に代わる快適で効率的な解決策を提供し、治療中の口腔衛生と審美性を向上させると報告されています。このレビューは、3Dプリントによるアライナーが、従来の熱成形製造アライナーよりも優れた精度、荷重耐性、変形の少なさなどの利点を持つと結論付けています。【Tartaglia et al., 2021

2. 過去の拒食症による広範なエナメル質侵食を持つ患者におけるクリアアライナーを用いた矯正治療の事例報告
この研究では、拒食症による広範なエナメル質侵食を持つ35歳の女性患者がクリアアライナーで治療された事例が示されています。この患者は、スケルタルクラスI、正常な咬合、前歯の混雑、わずかな深咬合、垂直方向に過度に立った切歯を持っていました。クリアアライナーは、治療中および維持期間中に歯をさらなる侵食剤や事前接触による外傷から保護する効果があり、自尊心の低下や心理障害を持つ患者により受け入れられる審美的な解決策であると報告されています。【Anastasi et al., 2014

これらの研究に基づき、マウスピース矯正は従来の矯正装置に比べて審美性と快適性に優れ、口腔衛生の維持が容易であるため、特に成人患者やエナメル質侵食などの特定の歯科状態を持つ患者に適していると考えられます。また、3Dプリント技術の進歩により、より正確で効果的なアライナーの製造が可能になっています。