銀歯とセラミックはどんなもの?詳しく教えて

クローバー歯科クリニック豊中駅前院 歯科医師 松本 康裕

虫歯治療で銀歯とセラミックはどちらを選べばいいの?

銀歯とセラミックには、見た目だけでなく、費用、使用する素材、強度、金属アレルギーへの配慮などに違いがあります。 費用を抑えたい場合には保険診療の銀歯が候補になりますが、自然な見た目や金属を使わない治療を希望する場合にはセラミックが選択肢になります。

ただし、「セラミックの方が高価だから良い」「奥歯だから銀歯で十分」と単純に決められるものではありません。治療する歯の位置、残っている歯の量、噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの有無などによって適した材料は変わります。

また現在は、条件によって保険診療でもCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーと呼ばれる白い被せ物・詰め物を選べる場合があります。 厚生労働省の令和8年度診療報酬改定資料でも、CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーが保険診療の項目として扱われています。

この記事では、銀歯とセラミックの違いを比較しながら、「自分ならどちらを選べばよいのか」を考えるためのポイントをわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  1. 銀歯とセラミックの違い
  2. 銀歯・セラミックそれぞれのメリットとデメリット
  3. 費用や見た目、強度の違い
  4. 奥歯・前歯ではどちらが向いているのか
  5. 保険で白い歯にできるケース
  6. 銀歯をセラミックに交換できるのか
  7. 古い銀歯を交換した方がよいケース
  8. 歯科医師が材料を選ぶときに確認しているポイント

 

目次

銀歯とセラミックはどっちがいい?

銀歯とセラミックのどちらがよいかは、「何を優先するか」によって変わります。費用をできるだけ抑えたい場合には保険診療で使われる銀歯が候補になります。一方、天然歯に近い見た目や金属を使わない治療を希望する場合には、セラミックが候補になります。ただし、治療する歯の状態や噛み合わせによっては希望した材料が適さないこともあります。

銀歯とセラミックは、費用・見た目だけでなく、歯の状態や噛み合わせまで考えて選ぶことが大切です。

まず、代表的な違いを確認してみましょう。

銀歯とセラミックには、それぞれ得意な部分と注意したい部分があります。
「どちらが上か」ではなく、患者さんが何を大切にしたいか、そして治療する歯に何が適しているかを考えることが重要です。

比較項目 銀歯 セラミック
見た目 銀色で、場所によっては目立ちやすい 天然歯に近い色調を再現しやすい
費用 保険適用なら費用を抑えやすい 基本的に自費診療
強度 金属のため強度を確保しやすい 素材によって異なる。ジルコニアは高強度
金属 使用する メタルフリーの治療が可能
金属アレルギー 原因となる金属を含む場合がある 金属を使用しない材料なら金属由来のリスクを避けられる
欠け・割れ 比較的起こりにくい 強い力によって欠けたり割れたりすることがある

日本歯科医師会でも、歯の詰め物・被せ物には金属材料や非金属材料など複数の選択肢があり、それぞれ特徴が異なることが紹介されています。日本歯科医師会「歯の詰めものや被せものって?気になる素材についての最新情報」

そのため、「銀歯かセラミックか」という二択だけでなく、現在では保険の白い歯を含めて比較することも大切になっています。

銀歯とはどのようなもの?

一般に「銀歯」と呼ばれているものは、虫歯などで失われた歯の部分を金属製の詰め物や被せ物で補う治療です。保険診療で選択されることがあり、費用を抑えながら歯の形や噛む機能を回復できることが特徴です。一方で、金属色が見えることや、使用する金属によっては金属アレルギーへの配慮が必要になることがあります。

銀歯は、金属を使用して歯の形や噛む機能を回復する詰め物・被せ物です。

虫歯が進行すると、感染した部分を削って取り除く必要があります。そのままでは歯の形が失われ、噛みにくくなるため、削った部分を人工の材料で補います。

小さな範囲を補うものが「詰め物」、歯を大きく削った場合に全体を覆うものが「被せ物」です。

銀歯には主に次のような特徴があります。

  1. 保険診療で使用できる場合があります。
    → 自費診療のセラミックと比較すると、患者さんの費用負担を抑えやすいことがメリットです。
  2. 金属の強度を生かせます。
    → 噛む力がかかる場所でも使用されてきた実績があります。
  3. 銀色が見える場合があります。
    → 奥歯でも笑ったときや口を大きく開けたときには金属色が見えることがあります。
  4. 金属アレルギーへの配慮が必要な場合があります。
    → 歯科治療に使用される金属がアレルギーの原因となることがあります。日本歯科医師会も、原因となる金属を特定したうえで別の材料へ交換する治療について説明しています。日本歯科医師会「金属アレルギー」

銀歯そのものが悪い治療というわけではありません。大切なのは、材料の特徴を理解したうえで、患者さんの希望や口の状態に合った方法を選ぶことです。

セラミックとはどのような歯科材料?

セラミックは、天然歯に近い色調や透明感を表現しやすい歯科材料です。金属を使わないタイプでは、歯科用金属によるアレルギーへの配慮もできます。見た目を重視する前歯だけでなく、高強度のジルコニアなどを使って奥歯を治療するケースもあります。

セラミックは、自然な見た目とメタルフリー治療を希望する方に選ばれている材料です。

セラミックは陶材系の歯科材料で、虫歯治療後の詰め物や被せ物などに使われます。

天然歯は真っ白なわけではなく、表面に透明感があり、内部の色が透けて見えています。セラミックはこうした歯の色調を再現しやすいことが大きな特徴です。

日本歯科医師会も、オールセラミックの被せ物について、金属を使用せず天然歯に近い色調を得られる材料として紹介しています。日本歯科医師会「さし歯・冠・ブリッジ」また、高強度のジルコニアは奥歯にも使用されるようになっています。

代表的な材料には次のようなものがあります。

  1. オールセラミック
    → 金属を使用しないセラミック材料です。透明感を表現しやすいため、特に見た目が重視される部位で選択されます。
  2. ジルコニア
    → 酸化ジルコニウムを主成分とする高強度のセラミック材料です。強度が求められる奥歯などにも使用されています。
  3. セラミック系の詰め物・被せ物
    → 使用する材料や製作方法によって、色調や強度、費用などが異なります。

「セラミックなら何でも同じ」というわけではありません。前歯の自然な透明感を重視する場合と、奥歯の強度を優先する場合では、適した材料が変わることがあります。

銀歯とセラミックは見た目以外に何が違う?

銀歯とセラミックの違いとして最もわかりやすいのは見た目ですが、違いはそれだけではありません。費用、使用する材料、強度、欠けるリスク、金属アレルギーへの配慮など、複数の項目を比較する必要があります。治療を選ぶときは、一つのメリットだけで決めないことが重要です。

銀歯とセラミックは、見た目・費用・強度・素材などを総合的に比較しましょう。

「白いからセラミック」「安いから銀歯」という選び方だけでは、治療後に思っていたものと違ったと感じる可能性があります。治療前に何を優先したいのか整理しておくと、材料を選びやすくなります。

比較したいこと 銀歯 セラミック
自然な見た目
費用を抑えやすい
メタルフリー ×
強い噛む力への対応 材料選択による
欠け・割れへの配慮 必要
色調の再現性

特に注意したいのは、強度だけで材料の良し悪しを判断しないことです。
歯は毎日繰り返し力を受けます。噛み合わせや歯ぎしり・食いしばりまで含めて、その歯に無理のない材料を選ぶ必要があります。

銀歯のメリット・デメリットは?

銀歯の大きなメリットは、保険診療で使用できる場合があり費用を抑えやすいことです。一方で、金属色が見えることや、使用する金属によっては金属アレルギーへの配慮が必要になります。メリットとデメリットの両方を理解して選びましょう。

銀歯は費用を抑えやすい一方、見た目や金属への配慮が必要です。

銀歯の主なメリット

  1. 保険診療なら治療費を抑えやすい
  2. 金属ならではの強度がある
  3. 長く歯科治療に使われてきた材料である

費用を重要視する患者さんにとって、保険診療で治療できることは大きなメリットです。

銀歯の主なデメリット

  1. 金属色が目立つことがある
  2. 金属アレルギーの原因になる場合がある
  3. 見た目を自然な歯とそろえることが難しい

ただし、「銀歯なら必ず虫歯が再発する」というわけではありません。詰め物や被せ物の周囲から再び虫歯になるかどうかには、歯と修復物の状態だけでなく、歯磨きの状態、食生活、虫歯になりやすさ、経過年数など多くの要素が関係します。

セラミックのメリット・デメリットは?

セラミックは天然歯に近い見た目を再現しやすく、金属を使用しない治療も可能です。一方、原則として自費診療となり、治療費が高くなる傾向があります。また、非常に強い力が加わると欠けたり割れたりする可能性があるため、噛み合わせの診断も重要です。

セラミックは見た目に優れる一方、費用や噛み合わせへの配慮が必要です。

セラミックの主なメリット

  1. 天然歯に近い色を再現しやすい
    → 前歯はもちろん、笑ったときに見える奥歯でも自然な口元を目指せます。
  2. 金属を使わない治療ができる
    → メタルフリーの材料を選ぶことで、歯科用金属に由来する金属アレルギーへの配慮ができます。
  3. 色調が安定しやすい
    → セラミックは歯科用樹脂と比べて変色しにくく、長期間自然な色を保ちやすい材料です。

セラミックの主なデメリット

  1. 自費診療になることが多い
  2. 強い衝撃で欠けたり割れたりする場合がある
  3. 歯ぎしりや食いしばりが強い場合には材料選びに注意が必要

セラミック治療では、「きれいに見えるか」だけでなく、「その状態を無理なく維持できるか」まで考えることが大切です。

前歯と奥歯では銀歯・セラミックの選び方が違う?

前歯では見た目や色調の自然さが重視されるため、セラミックが候補になりやすくなります。奥歯では大きな噛む力がかかるため、見た目だけでなく強度や噛み合わせを考慮する必要があります。高強度のジルコニアなどが選択肢になることもあります。

前歯では見た目、奥歯では見た目に加えて噛む力まで考えて材料を選びます。

同じ患者さんでも、前歯と奥歯で適した材料が異なることがあります。場所によって求められる役割が違うためです。

治療する場所 重視したいポイント 考えられる選択肢
前歯 自然な色、透明感、見た目 セラミックなど
小臼歯 見た目と強度のバランス セラミック、ジルコニア、保険の白い材料など
大臼歯 噛む力、耐久性、噛み合わせ ジルコニア、金属、条件によって保険の白い材料など

日本歯科医師会では、ジルコニアについて高強度の材料であり、強い力がかかる奥歯にも使用できるようになったと説明しています。その一方で、材料が強ければ強いほど良いとは限りません。噛み合う相手の歯や、残っている自分の歯とのバランスまで考える必要があります。

保険でも白い歯にできる?

現在は「保険診療なら必ず銀歯」というわけではありません。条件によってはCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーと呼ばれる白い被せ物・詰め物を保険診療で使用できるケースがあります。ただし、自費診療のセラミックとは材料や特徴が異なるため、同じ「白い歯」として一括りにしないことが大切です。

保険診療でも、条件によって白い被せ物や詰め物を選べる場合があります。

以前は「奥歯の保険治療=銀歯」というイメージが強くありました。
しかし現在では、CAD/CAMというコンピューター支援設計・製造技術で作る白い被せ物や詰め物が保険診療にも導入されています。

日本歯科医師会も、保険診療で使用される白い歯としてCAD/CAM冠を紹介しています。
また、令和8年度の厚生労働省資料にもCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーが掲載されています。厚生労働省

ただし、保険の白い歯と自費診療のセラミックは、同じ材質ではありません。材料や色調、強度などに違いがあります。

「銀歯は嫌だけれど、自費診療は迷っている」という方は、まず保険診療で白い材料が使用できる歯なのか相談してみるとよいでしょう。

銀歯をセラミックに交換できる?

すでに入っている銀歯を外して、セラミックの詰め物や被せ物へ交換することは可能です。ただし、銀歯を外した後の歯に虫歯がある場合や、残っている歯が少ない場合には、追加の治療が必要になることがあります。交換する前に歯の状態を確認することが重要です。

銀歯からセラミックへの交換は可能ですが、まず銀歯の下にある歯の状態を確認します。

銀歯が見えることが気になり、

「笑うときに口元を隠してしまう」
「銀歯を白くしたい」

と相談される患者さんもおられます。

銀歯をセラミックへ交換する場合は、まず現在の銀歯を外し、その下の歯の状態を確認します。もし虫歯があれば、その部分を取り除いてから新しい詰め物や被せ物を作ります。

ただし、銀歯を外すためには、現在の修復物の状態によって歯を調整する必要があります。「見た目を変えたい」という希望だけでなく、歯にどの程度負担がかかるのかまで説明を受けたうえで判断することが大切です。

古い銀歯は全部セラミックに交換した方がいい?

銀歯が入っているからといって、すべてを予防的にセラミックへ交換する必要があるわけではありません。問題なく機能していて、歯との境目にも異常がなく、患者さん自身も見た目を気にしていないのであれば、そのまま経過を見ることもあります。一方、銀歯の周囲に異常がある場合には歯科医院で確認することをおすすめします。

問題のない銀歯まで、すべてセラミックへ交換する必要があるとは限りません。

次のような場合には、一度歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

  1. 銀歯が浮いている、外れかけている
  2. 銀歯と歯の境目が黒く見える
  3. 噛むと痛い
  4. 冷たいものがしみるようになった
  5. 銀歯が欠けた、変形した
  6. 食べ物が以前より挟まりやすくなった

こうした症状があるからといって、必ず銀歯の下に虫歯があるとは限りません。

しかし、詰め物や被せ物の内側は患者さん自身では確認できません。違和感がある場合は、問題が大きくなる前に診てもらうことが大切です。

歯ぎしり・食いしばりがあってもセラミックにできる?

歯ぎしりや食いしばりがあるからといって、必ずセラミック治療ができないわけではありません。ただし、強い力が繰り返しかかると、セラミックが欠けたり割れたりするリスクが高くなることがあります。そのため、材料の種類や厚み、噛み合わせなどを慎重に検討します。

歯ぎしり・食いしばりがある場合は、セラミックの種類と噛み合わせを慎重に検討します。

歯ぎしりや食いしばりは、日中だけでなく睡眠中に起こることもあります。

患者さん自身に自覚がないケースもあるため、

  • 歯がすり減っている
  • 詰め物や被せ物が何度も外れる
  • 歯に細かな亀裂がある
  • 顎や噛む筋肉に負担がみられる

といった状態も確認します。

必要に応じて、就寝時に歯を守るマウスピースを使用することがあります。「セラミックだから割れる」「ジルコニアだから絶対に割れない」と考えるのではなく、材料と噛む力の両方を見ることが重要です。

銀歯とセラミックはどちらが長持ちする?

銀歯とセラミックの使用できる期間は、材料だけでは決まりません。詰め物・被せ物の適合状態、虫歯の大きさ、残っている歯の量、噛み合わせ、歯ぎしり、歯磨きの状態などによって変わります。「何年もつか」という数字だけではなく、治療した歯を定期的に確認することが大切です。

詰め物・被せ物の寿命は素材だけではなく、歯の状態や噛み合わせ、日頃のケアにも左右されます。

「銀歯は何年もちますか?」
「セラミックなら一生使えますか?」

という質問をいただくことがあります。

しかし、歯科治療では材料だけを見て寿命を断定することはできません。特に重要なのは、修復物そのものよりもその下にある自分の歯を守ることです。被せ物が壊れても作り直せる場合がありますが、自分の歯を大きく失ってしまえば治療の選択肢は少なくなります。

そのため、治療後も定期的な歯科健診を受け、詰め物・被せ物の境目や噛み合わせを確認することが大切です。

銀歯とセラミックでは費用はどのくらい違う?

銀歯は保険診療で使用できる場合があり、自己負担額を抑えやすい点が特徴です。一方、セラミックは自費診療となるケースが多く、材料や治療する歯によって費用が変わります。また、保険診療でも条件によってCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーなど白い材料を選べる場合があります。

費用を抑えやすいのは保険診療ですが、「白い歯=すべて自費」とは限りません。

治療費を比較するときは、単純な金額だけではなく、どの材料を使うのか、どこまで治療するのかを確認しましょう。自費診療の場合は歯科医院によって設定が異なるため、治療前に費用の説明を受けることが大切です。

治療方法 保険 費用の考え方
金属の詰め物・被せ物 適用されるケースあり 保険診療なら自己負担を抑えやすい
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー 条件により適用 保険で白い材料を選べる場合がある
オールセラミック 基本的に自費 歯科医院や治療部位により異なる
ジルコニア 基本的に自費 歯科医院や材料により異なる

厚生労働省の令和8年度の資料にも、CAD/CAM冠およびCAD/CAMインレーの保険診療上の評価が示されています。なお、患者さん自身の歯の状態によって必要な治療は異なります。詳しい費用については診察後に確認してください。

銀歯とセラミックの治療期間・通院回数は違う?

銀歯とセラミックのどちらを選んでも、一般的には虫歯を取り除き、歯の形を整え、型取りや口腔内スキャンを行い、完成した詰め物・被せ物を装着する流れになります。ただし、虫歯の深さや神経の治療が必要かどうかによって治療期間や通院回数は変わります。

治療期間は材料の違いより、虫歯の大きさや歯の状態によって大きく変わります。

一般的な流れは次の通りです。

  1. 虫歯や現在の詰め物・被せ物の状態を確認する
  2. 虫歯を取り除く
  3. 詰め物・被せ物を入れるため歯の形を整える
  4. 型取りまたは口腔内スキャンを行う
  5. 詰め物・被せ物を製作する
  6. 歯に装着し、噛み合わせを調整する

虫歯が神経近くまで進んでいる場合や、歯の根の治療が必要な場合には通院回数が増えます。

銀歯とセラミックを選ぶとき、歯科医師は何を見ている?

歯科医師は、患者さんの「白くしたい」「費用を抑えたい」という希望だけで材料を決めているわけではありません。虫歯の大きさ、残っている歯の量、噛み合わせ、治療する場所、歯ぎしりの有無などを確認し、治療した歯を長く使える方法を考えます。

材料選びで大切なのは「一番高い材料」ではなく「その歯に合った材料」です。

私たちが材料を検討するときには、例えば次のようなことを確認します。

  1. どの歯を治療するのか
    → 前歯なのか奥歯なのかによって、見た目と強度の優先順位が変わります。
  2. 自分の歯がどのくらい残っているのか
    → 健康な歯質が十分残っているかどうかは、詰め物・被せ物の安定性にも関係します。
  3. 噛む力はどの程度か
    → 奥歯には大きな力がかかります。歯ぎしりや食いしばりがあれば、さらに負担が大きくなります。
  4. 患者さんが何を重視しているのか
    → 見た目、費用、金属を使わないことなど、希望する優先順位は患者さんによって異なります。

ここは、銀歯とセラミックを比較するときに最も大切なポイントです。
歯科治療の目的は、詰め物や被せ物そのものを長持ちさせることではなく、その下にある自分の歯をできるだけ長く守ることです。

そのため、単純に「一番丈夫なもの」「一番高価なもの」を選べばよいとは限りません。

銀歯とセラミックについてよくある質問

Q1. 銀歯を全部セラミックに交換した方がいいですか?

問題なく機能している銀歯を、必ずすべて交換する必要があるとは限りません。
銀歯の状態、歯との境目、虫歯の有無、患者さんが見た目を気にしているかなどを確認して判断します。違和感がなければ、まず歯科健診で状態を確認してもらいましょう。

Q2. セラミックにすると虫歯にならないのですか?

セラミックそのものが虫歯になることはありませんが、その周囲にある自分の歯は虫歯になる可能性があります。
セラミックを入れた後も毎日の歯磨きや歯科健診は必要です。

Q3. 銀歯の下に虫歯があるか自分でわかりますか?

銀歯の内部は外から見えないため、自分で判断することは難しいでしょう。
銀歯の境目の変色、しみる、噛むと痛い、食べ物が挟まりやすいなどの変化があれば歯科医院へ相談してください。

Q4. 奥歯にもセラミックは使えますか?

奥歯にもセラミックを使用できるケースがあります。
特に高強度のジルコニアは、強い力がかかる奥歯にも使用される材料です。 ただし、噛み合わせや歯ぎしりなどを確認して適した材料を選びます。

Q5. 保険でも銀歯以外を選べますか?

条件によっては、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレーといった白い材料を保険診療で使用できる場合があります。
治療する歯や口の状態によって適応が異なるため、歯科医院で確認してください。

Q6. セラミックは割れることがありますか?

強い力や衝撃が加われば、セラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
歯ぎしりや食いしばりが強い方では、材料を慎重に選んだり、必要に応じて歯を守るマウスピースを使用したりします。

Q7. 銀歯とセラミックはどちらが長持ちしますか?

材料だけで「こちらの方が必ず長持ちする」とは言い切れません。
残っている歯の量、噛み合わせ、治療後の歯磨き、定期的な歯科健診なども大きく関係します。治療した歯を長く使うためには、装着後の管理も重要です。

まとめ|銀歯とセラミックは「どちらが上か」ではなく自分の歯に合った材料を選びましょう

銀歯とセラミックには、それぞれメリットとデメリットがあります。

銀歯は保険診療で使用できる場合があり、費用を抑えやすいことがメリットです。一方、金属色が目立つことや、使用する金属によっては金属アレルギーへの配慮が必要になります。

セラミックは天然歯に近い見た目を再現しやすく、金属を使わない治療も可能です。その一方で、基本的には自費診療となり、強い噛む力がかかる方では材料選びに注意が必要です。

また現在では、条件によって保険診療のCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーなど白い材料を使用できるケースもあります。

そのため、

「銀歯かセラミックか」だけで考える必要はありません。

大切なのは、

  1. 治療する歯の状態
  2. 治療する場所
  3. 残っている自分の歯の量
  4. 噛み合わせ
  5. 歯ぎしり・食いしばり
  6. 見た目への希望
  7. 費用

などを総合的に考えることです。

特に覚えておいていただきたいのは、詰め物や被せ物を選ぶ本来の目的は、材料そのものを長持ちさせることではなく、その下にある自分の歯をできるだけ長く守ることです。

「銀歯を白くしたい」「セラミックに交換した方がいいか迷っている」「自分にはどの材料が合っているのかわからない」という方は、一度歯科医師に現在の歯と噛み合わせを確認してもらい、ご自身が重視したいことを伝えたうえで治療方法を検討しましょう。