虫歯

エナメル質を虫歯から守る方法は?

エナメル質を虫歯から守る方法は?

クローバー歯科クリニック豊中駅前院 歯科医師 松本 康裕

歯の一番外側は硬いエナメル質で覆われています。つまり、虫歯が始まるのは、エナメル質からといえます。エナメル質を虫歯から守るにはどうすれば良いのか、ご説明します。

虫歯からエナメル質を守るには?

エナメル質は歯の表面の硬い部分で、厚さは2~3ミリ程度です。エナメル質は人体の中で一番硬いにも関わらず、虫歯菌の出す酸や、食事による酸によって、溶けて薄くなってしまうことがあります。

その他に、硬い食べ物を食べ過ぎてエナメル質に傷がついたり、歯磨きの時にブラシで歯を強く擦り過ぎてエナメル質をすり減らしてしまったり、食いしばりや歯ぎしりの癖によってエナメル質の特定の場所だけが擦り減ることもあります。

エナメル質を強くして守るための方法についてご説明します。

1. 食事でエナメル質を強くする

歯や骨はカルシウムが主要な成分となっていますので、煮干しなどの小魚からカルシウムを摂るのが効果的です。良く噛むことで唾液も出やすくなりますので、唾液による再石灰化も期待できます。

2. フッ素を使う

定期的にフッ素塗布を行うことで、虫歯を防いで、歯のエナメル質を強くします。フッ素には歯を守るための3つの働きがあります。

  1. 歯質を強くする
  2. 再石灰化を促進させて歯のエナメル質を修復する
  3. 虫歯菌の働きを抑制して酸を作らせなくする

歯にフッ素を塗布すると、歯が再石灰化によって修復される際に、エナメル質の成分と結びついてフルオロアパタイトと呼ばれる構造になり、歯が丈夫になります。

3. 食事の間隔をあける

歯は食事の度に酸性に傾き、その後は唾液の作用で中性になります。酸性に傾いた時間が長くなると、歯の表面のエナメル質が溶けやすくなります。

4. 歯から歯垢を除去する

歯に歯垢がついたままになっていると、その中で虫歯菌が繁殖して酸を出し、歯を溶かしていきます。

唾液の再石灰化作用によって、ある程度はエナメル質が修復されますが、酸に晒されている時間が長くなると、再石灰化が間に合わず、虫歯になって歯に穴があいてしまいます。

エナメル質の初期虫歯は自然治癒が可能

歯の構造

初期虫歯はエナメル質が虫歯菌の出す酸に少し溶かされた状態のことをいいます。この段階では、歯を削って治療する必要はなく、自然治癒する可能性があります。

唾液によるエナメル質の自然治癒について

エナメル質は唾液の力によって自然に再生して初期虫歯が治ることがあります。

食事のあとはお口の中が酸性になり、エナメル質が溶けやすくなります。一方、唾液の中にはカルシウムやリン酸などのミネラルが含まれていますので、歯がこれらのミネラルを取り込んだ結果、溶かされた部分を元の状態に戻すことが出来ます。これを再石灰化と呼びます。

エナメル質を虫歯から守る方法に関するQ&A

エナメル質の初期虫歯はどのようにして自然治癒するのですか?

エナメル質は唾液の力によって自然に再生し、初期虫歯が治ることがあります。

歯の再石灰化とは何ですか?

歯の再石灰化とは、唾液の中のカルシウムやリン酸などのミネラルを歯が取り込むことで、溶かされた部分を元の状態に戻すプロセスのことを指します。

エナメル質が溶けて薄くなってしまう原因は何ですか?

エナメル質は虫歯菌の出す酸や、食事による酸によって溶けて薄くなってしまいます。また、硬い食べ物を食べ過ぎたり、歯磨きの時に強く擦ったり、食いしばりや歯ぎしりの癖によってエナメル質が擦り減ることもあります。

まとめ

歯のキャラクター

エナメル質を虫歯から守るためには、唾液をたくさん出す、お口の中を清潔にする、歯にフッ素塗布を行うなどの、様々な方法があります。エナメル質を酸から守ることが出来れば、それ以上虫歯が酷くなって穴があいたりする事態にまではなりませんので、出来るだけ初期虫歯の段階でエナメル質を守りましょう。